パキロビッドパックの併用禁忌にあの薬が入っていない? ※追記あり
ファイザー製の新型コロナウイルス治療薬「パキロビッドパック」が発売されました。ニルマトレルビルとリトナビルの合剤になります。データを見る限り効果が高いようですが、効果を高めるためにリトナビルが含まれているため注意が必要です。 医療関係者ならご存じかと思われますがCYP3A阻害作用が強いため、多くの薬と相互作用をもっています。今後扱う可能性もあるので添付文書を見ていたのですが、気になるところがありました。 パキロビッドパックの添付文書より ベルソムラが入っていない。 2月19日時点でパキロビッドパックの添付文書の禁忌欄にベルソムラ(スボレキサント)が入っていません。 ノービア錠(リトナビル)の添付文書にも記載がないためそのままコピペしてきたのかなと思われます。同じ眠剤であるハルシオン(トリアゾラム)は入っているのにベルソムラがないのは如何なものか。ベルソムラも結構人気の薬なんですけどね。 ベルソムラ側の添付文書にはしっかりとリトナビル禁忌となっています。トリアゾラムと同様に過度の鎮静や呼吸抑制等のリスクが考えられるため避けたいですね。 医療関係者、特に医師と薬剤師は併用薬の確認を確実にお願いします。治療を受ける患者さん側も真面目に併用薬を伝えてください。お薬手帳があれば写真を撮ってもらってください。 血中濃度を高めるためにリトナビルを追加しているようですが、医療従事者側としては面倒です。本当はニルマトレルビルの使用量を節約したいだけではないのでしょうか。この非常事態では多くの人に提供することが重要なのでこういったこういった裏技的な方法になったのかなと想像しています。 ベルソムラの添付文書より 今回の禁忌で対象が多い薬は? 第6回NDB から使用量をざっくりと調べてみました。下記にまとめた医薬品は特に対象者が多いと思われます。 トリアゾラムを成分に含む錠剤 約1億5500万錠/年間 ジアゼパムを成分に含む錠剤 約1億1200万錠/年間 ベルソムラ(10mg,15mg,20mg) 約2億1200万錠/年間 アゼルニジピンを成分に含む錠剤 約1億6800万錠/年間 ※合剤含む カルバマゼピンを成分に含む錠剤 約1億8100万錠/年間 ※細粒含まず イグザレルト(10mg,15mg) 約1億3300万錠/年間 外来(院内)を含めていない点と上位100位に入っていない薬を含めて...